遺跡地図
はじめに―中國史におけるジェンダー秩序 (小浜正子)
1.ジェンダー史とジェンダー主流化
2.中國女性史から中國ジェンダー史へ
3.中國ジェンダー史共同研究と中國ジェンダー史のいくつかの論點
4.殘された課題
5.本書の構成
第一編 通時的パースペクティブ
Ⅰ期 先秦~隋唐 古典中國―父係社會の形成
はじめに (下倉 渉)
第1章 考古學からみた先秦時代のジェンダー構造 (內田純子)
はじめに
1.墓葬資料の扱い
2.副葬工具にみられる性差―新石器時代の男耕女織の起源
3.初期王朝時代(商代)の文字資料と女性
4.考古學からみた商王とその妻―王陵區大墓と婦好墓の比較
5.殷墟の族墓地の男女墓の分析
6.西周から春鞦・戦國期にかけての変化
7.青銅器と裝身具にみられる女性の役割
―西周から春鞦・戦國期にかけての変化
8.女性の壽命、生涯と身分
9.男耕女織と絹生産
10.先秦時代のジェンダー構造の変化過程
第2章 父係化する社會 (下倉 渉)
はじめに
1.異父の兄弟姉妹と舅甥の関係
2.「公主」の歴史
(1)六朝から明清まで
(2)漢代の公主について
おわりに
第3章 中國の文學と女性 (佐竹保子)
はじめに
1.先秦(紀元前)
2.漢代
3.魏晉南北朝
4.唐代
5.宋代の李清照
おわりに
第4章 唐代の傢族 (翁育、三田辰彥訳)
はじめに
1.門閥貴族研究と唐代の傢族・親族
2.女性史研究と唐代の傢族・親族
3.禮製・法製研究と唐代の傢族・親族
おわりに
コラム1 史料紹介―敦煌文書にみる妻の離婚、娘の財産相続
(荒川正晴)
コラム2 則天武後とその後 (金子修一)
Ⅱ期 宋~明清 伝統中國―ジェンダー規範の強化
はじめに (佐々木愛)
第5章 唐宋時代の生業とジェンダー (大澤正昭)
はじめに
1.唐宋時代の史料―限界と可能性
2.女性が従事する生業
(1)生業、傢業一般について
(2)女性の農業労働
(3)農傢経営と女性、商業
おわりに
第6章 伝統傢族イデオロギーと硃子學 (佐々木愛)
はじめに
1.滋賀秀三『中國傢族法の原理』
2.「伝統傢族イデオロギー」と硃子學
(1)滋賀「原理」と硃子學
(2)女性抑圧と硃子學
(3)「宗法」と硃子學
おわりに
第7章 婚姻と「貞節」の構造と変容 (五味知子)
はじめに
1.貞操観念と錶彰の変遷
2.逸脫に対する処罰―性犯罪に関する規定の変遷
3.女性の持參財産
おわりに
第8章 身分感覚とジェンダー (岸本美緒)
はじめに―「身分感覚」というコンセプト
1.伝統中國の「身分」とは何か
2.「士・庶」とジェンダー
(1)女子教育と上昇戦略
(2)上流階層の女性たち
(3)文化としての纏足
(4)節婦の錶彰
3.「良・賤」とジェンダー
(1)士人と妓女
(2)売春と社會規範
おわりに―比較史的視點
コラム3 宮廷女官とジェンダー (小川快之)
Ⅲ期 近現代中國―変容するジェンダー秩序
はじめに (高嶋 航)
第9章 民族主義とジェンダー (阪元ひろ子)
はじめに―近代のナショナリズム
1.中國近代「民族主義」研究
2.「國民の身體」とジェンダー―纏足/放足
3.五四新文化運動期から抗日戦爭期まで
第10章 近代中國の男性性 (高嶋 航)
1.はじめに―男性性とは?
2.男性史とは?
3.ナショナリズム、帝國主義、植民地主義
4.伝統的男性性―文の覇権
5.日清戦爭の衝撃―武の颱頭
6.共和國の誕生と五四運動―文武の相剋と失墜
7.中國國民黨と中國共産黨―武の時代
おわりに
第11章 近代中國の傢族および愛・性をめぐる議論 (江上幸子)
はじめに
1.新舊傢族製度に関する論議
(1)「伝統的傢族製度」への批判
(2)「近代的傢族製度」の提唱
(3)「小傢庭」製に伴う愛・性についての論議
2.「近代傢族」イデオロギーへの女性の異議
(1)清末の日本留學生
(2)獨身主義の主張
(3)女性作傢の作品から
(4)「傢庭派」女性への拒否
3.婚姻製度廃止論の提起
(1)辛亥革命期のアナキスト
(2)1920年代の婚姻製度廃止論
第12章 近現代の女性労働 (リンダ・グローブ、田中アユ子訳)
はじめに
1.変化の第一段階―外で働き始めた女性たち
2.初の女性専門職
3.第一世代の女工たち
4.工場以外の場所で働く女性労働者たち―娯楽産業を中心に
5.毛沢東時代における女性の労働
6.改革開放期における女性労働と今後の課題
第13章 中華人民共和國の成立とジェンダー秩序の変容 (小浜正子)
はじめに
1.近代中國のジェンダーと傢族をめぐる法と政策
2.中華人民共和國のジェンダー構造変革と婚姻法貫徹運動
3.社會変革とジェンダー構造の変容
4.文化大革命とジェンダー
5.計畫齣産をめぐる國傢・傢族・個人
(1)「一人っ子政策」以前
(2)「一人っ子政策」の展開
おわりに
第14章 改革開放期のジェンダー秩序の再編
―婦女連閤會のネットワークに著目して (大橋史恵)
はじめに
1.中華全國婦女連閤會とその変化
(1)婦女連の沿革
(2)改革開放初期の女性運動史研究
(3)オーラル・ヒストリーにおける婦女連をめぐる語り
2.婦女連の組織體製とガバナンス
(1)婦女連の組織體製
(2)ジェンダー公正をめぐる婦女連のイニシアティブ
(3)市場経済化のなかの婦女連とローカルなジェンダー秩序
3.今日のジェンダー秩序と女性運動の変化
(1)女性運動の多様化
(2)ガバナンスの強化と柔軟なネットワーク
おわりに
コラム4 二冊の近代中國女性史 (須藤瑞代)
第二編 中國ジェンダー史上の諸問題
第15章 中國古代の戸籍と傢族 (鷲尾祐子)
はじめに
1.資源としてのヒト
2.「戸」と戸籍
3.戸籍と內外の別
おわりに
第16章 「纔女」をめぐる視線 (闆橋暁子)
はじめに
1.漢代まで
2.魏晉南北朝
3.隋唐
4.宋元
5.明清
おわりに
第17章 中國醫學における醫療・身體とジェンダー (姚 毅)
はじめに
1.中國の伝統醫學における身體観とジェンダー
(1)中國の伝統醫學の特徴
(2)「女科」の成立と男女の性差
(3)明清における身體観の変容と身體知識の構築
2.身體を「科學化」する近代醫學とジェンダー
(1)西洋産婦人科知識の伝入
(2)解剖學的凝視と生殖の「病理化」
(3)女子體育と少女の身體
3.男性醫師の齣産現場への介入と挫摺
(1)専門職としての産婦人科の形成と男性醫者の嘆き
(2)女性のための女性による治療―女性醫師の戦略
(3)中華人民共和國時期の「はだしの醫者」
おわりに
第18章 中國におけるフェミニズムと女性/ジェンダー研究の展開
(鞦山洋子)
1.中國女性學の誕生
2.80年代中國女性學の特色―〈女性意識〉と〈本土化〉
3.東西フェミニズムの齣會いから第四迴國連世界女性會議へ
4.北京+10―婦女連中心の女性學ネットワーク構築
5.國際的援助による開発プロジェクトと女性/ジェンダー研究専門分野建設の動き
6.IT時代のフェミニズム
―「微笑する女性主義」と街頭抗議パフォーマンス
コラム5 セクシュアル・マイノリティ (遠山日齣也)
コラム6 演劇とジェンダー (中山 文)
あとがき (小浜正子・江上幸子)
中國ジェンダー史略年錶
中國ジェンダー史関連重要文獻一覧
索引(人名・事項・書名)
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收起)