图书标签: 秦汉史 日本汉学 史記秦漢史の研究 藤田胜久 日本秦汉史 历史 汉学 日文著作
发表于2024-11-22
史記秦漢史の研究 pdf epub mobi txt 电子书 下载 2024
http://www.kyuko.asia/book/b193775.html
【本書】より(抜粋)
中国古代史の研究は、今日では文献史料と出土資料を利用することが一般的な方法となっている。しかし基本となる『史記』を文献テキストとして利用するためには、その当初の素材と編集をふまえた原形を理解する必要がある。本書は、こうした視点によって『史記』の史料的性格を考察し、歴史研究の基礎とする三部作の一つである。ここでは先人の研究や、出土資料を手がかりとしながら、科学的な資料学として『史記』秦漢史料がどこまで史実をふまえているかを知ろうとした。そのうえで古代統一国家と地域社会の再構成を試みた。中国の出土資料には、『史記』の素材となっていない資料も多くみられる。そこで『史記』秦漢史では、司馬遷が利用していない出土資料をふくめて、漢代までの文書・書籍のあり方と、社会背景を知る必要がある。またもう一つの問題として、歴史研究では出土資料の釈文を準テキストのように利用するのではなく、簡牘それ自体の機能に即した資料の位置づけが必要である。拙著『中国古代国家と社会システム』(汲古書院、二〇〇九年)は、こうした観点から、長江流域出土資料を初歩的に考察したものである。また秦漢史の研究では、長江流域の出土資料だけではなく、漢代西北の簡牘との比較や、中国のフィールド調査による考察も有益である。これによって『史記』史料の研究は、出土資料の全体のなかで位置づけることができる。この『史記』研究と並行する戦国秦漢史の展望は、拙著『中国古代国家と郡県社会』(汲古書院、二〇〇五年)でアウトラインを示している。・・・
本書では、『史記』秦漢史料を分析して、その史実を考察してきた。その結果、古代中国では戦国七国のように大きな地域区分があり、それは政治的にみて西方の秦文化の体制と、東方諸国の体制に分けることができる。また東方の楚は、南方の文化圏でもある。秦帝国の成立と滅亡、楚漢戦争の時代は、こうした秦の体制(秦の社会システム)と楚の体制(楚の社会システム)を代表とする異なる文化圏の対立といえる。つまり秦帝国の内部には、習俗や習慣が違う地域社会を組み込んでいる。それを細かくみれば、郡県制という制度のなかで、ともに県レベルの領域にある社会を基礎単位とするものであった。漢王朝の成立後は、これらを一つの政治体制と漢文化に同化してゆく過程ということができよう。したがって司馬遷が《太史公書》を著述した武帝期は、戦国時代から始まる地域社会の統合に到達し、周辺にも郡県制を設置した時代である。このような体制は、いわば中国古代文明の成立といえるものであり、『史記』はその通史となっている。漢王朝の体制は、『史記』が完成したあとも前漢後半から後漢時代へと続いてゆくが、国家と地域社会の基礎は、その歴史叙述に示されている。このように『史記』秦漢史料と出土資料による研究は、司馬遷が描いた歴史叙述だけではなく、秦漢統一国家と地域社会の実像に近づけると考えている。
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