序 章 満洲交錯する歴史
玉野井麻利子
満洲の歴史の概観
共通のテーマ
第1章 心のなかの満洲
【1930―37年の中国東北部をめぐる出版とプロパガンダ】
ラナ・ミター
ドゥ・ツォンヤン ――筆1本で出世した男
ドゥの読者
ドゥの人物像 ――「3500万人を代表する」
「親善などあり得るのか?」
抵抗の人物 ――馬占山
結 語
第2章 都市なき都市計画
【ユートピア満洲国の秩序と混沌】
デービッド・タッカー
1933年農業移民計画
計画者たち
ユートピアンが夢見た白紙
世界の都市計画における本農業移民計画の位置づけ
占領と白紙
第3章 皇女、 反逆者、 兵士、 スパイ
【愛新覚羅顕シと満洲族のアイデンティティのジレンマ】
ダン・シャオ
「紅炉上一点の雪の如し」 ――顕※小伝
日本とアメリカでの顕※像
満洲のマタ・ハリもしくは中国人の裏切り者 ――裁判にかけられた金璧輝
旗人か満洲族系中国系日本人か
中国で語り継がれる顕※
結 語
【※は「王」偏に「子」】
第4章 日満親善を追い求めて
マイケル・バスケット
善意の場に非ず ――満映帝国を築いた男・甘粕正彦
李香蘭と『支那の夜』 ――試練の恋としての親善
新しき土を包含する ――日独親善と満洲
親善有限会社 ――満洲への郷愁を扱ったビジネス
結 語
第5章 支配された植民者たち
【満洲のポーランド人】
トーマス・ラウーゼン
「植民者」 としての満洲の住民
極東のポーランド人、 グロホフスキ
カトリシズムへの投資
ロシア革命後の極東のポーランド人
結 語 ――ポーランドと満洲国
第6章 植民者を模倣する人々
【満洲国から韓国への統制国家の遺産】
ソクジョン・ハン
スポンサー付きの儒教
慰霊の儀式
建国体操
反共大会など
1970年代の継承者
チャンスの場としての満洲国
結 語
第7章 汎アジア主義
【森崎湊から三島由紀夫まで】
玉野井麻利子
森崎湊の日誌
日系と満系
日本人としての優越感
湊の優越感の崩壊
満系=中国人
湊、 建国大学を辞す
結 語
翻訳を終えて
人名索引
地名索引
著者紹介
訳者紹介
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收起)