その肉体には個性がある―胡蝶蘭に囲まれた鏡台の手前、そこには素肌にローブを纏た名優の姿があった。『ぼく』は初めて坂東玉三郎の楽屋を訪ねる。多忙な日々を過ごしつつも、迷いの真っただ中にあった作家は、この運命的な出会いを契機に、歌舞岐脚本への挑戦を企てる。そして、復活。気負いなく綴られた流行作家の身辺。オリジナル台本「三国伝来玄象譚」を収録。
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